梅毒
梅毒の病原菌は、トレポネーマです。昔は不治の病としておそれられていましたが、ペニシリンが発見されると、治療可能な病気となりました。発生件数は減少していますが、1960 年代半ばに世界的な流行が、1987年に日本でも感染者数が増えるなど、流行と下火が繰り返されています。
梅毒に感染すると、3週間、3ヶ月、3年と症状が変わる経過をたどります。現在は、3年以上経過したいわゆる第3期まで到達することは、ほとんどなくなりましたが、症状がでないこともあり、注意が必要です。
また、梅毒感染により、HIV感染率が高まることが分かっています。
感染について
梅毒の病原菌は、トレポネーマです。
感染経路は、皮膚や粘膜にある傷口から血液中に病原菌が入り、全身に広がってゆきます。あらゆる性行為にて感染の可能性がありますが、特にアナルセックスでの感染が多いと言われています。直腸は傷つき易いため、感染する確率が高まります。また、口内に梅毒の症状がでている場合(しこりなど)、キスでも感染するおそれがあります。
母子感染により、赤ちゃんが先天性の梅毒にかかるおそれがありますが、妊婦検診にて予防できます。
症状について
男女ともに症状は同じで、感染後3週間程度の潜伏期間のあと、第1期から第4期まで経時的に症状が変わります。
◆第1期梅毒(感染して約3週間後から)
感染経路は、皮膚や粘膜の傷口からの病原菌の侵入で、この感染した場所(性器、口、肛門、手指など)の皮ふや粘膜に赤っぽい小豆粒大のしこりができます。特に痛みはなく、硬さは、軟骨の硬さ程度です。しばらくすると中心部が盛り上がってきます。
同時に、ふともものリンパ節に腫れが見られるようになります。こちらも痛みは特に感じられません。
その後、症状は消失します。
◆第2期梅毒(感染して約3ヶ月後から)
病原菌が全身に広がっています。あざ、ぶつぶつといった皮膚症状が現れます。
梅毒性バラ疹と呼ばれるピンク色の円形のあざが体の中心線にあたる場所や、手足に対称に現れます。また、豆粒大の赤茶色のブツブツも見られます。このように非常に特徴的な症状が現れるため、確定診断が容易です。このほかに、発熱、倦怠感、頭痛や脱毛なども起こる事があります。
3ヶ月から3年ほど続いたあと、症状はいったん消失し、無症状の時期があります。
◆第3期梅毒(感染して約3年後から) ここまで至るのはまれです。
皮下組織におおきなしこりができます。ゴム腫、結節性梅毒疹などとよばれます。
その他に、急性梅毒髄膜炎による頭痛、錯乱、上部神経麻痺による顔面麻痺や聴覚神経麻痺などの神経的症状が起こることもあります。
◆第4期梅毒(感染してから5年以降) ここまで至るのはまれです。
男性に多い症状として、進行麻痺があり、頭痛、めまい、人格障害、血管障害などを引き起こします。また、痴ほう、運動障害が起こることもありますが、現在はまずありません。
検査について
男女ともに血液検査を行います。
発症までの潜伏期間は、約3週間です。検査が可能なのは、感染の可能性があった日から4週間後以降となります。
確定診断の基本は、病変部(しこりやぶつぶつなどの症状)の確認と病変部からの病原菌の検出です。ただし、症状がない場合は、困難です。
治療について
検査キットで陽性、つまり感染していることが分かったら、すぐに病院に行き、診察を付けてください。受診する科は、男性であれば、皮膚科、泌尿器科か性病科、女性であれば、皮膚科、婦人科(産婦人科)もしくは性病科になります。
梅毒の治療には、ペニシリンが有効です。合成ペニシリン剤を症状に応じた期間、のみます。治療期間は、第1期であれば、2~4週間、第2期であれば、4~8週間ほどです。
定期検査で完治したかの確認を行います。投薬期間は、何週間にもなりますので、定期的な検査とともに、根気よく治療しましょう。
